皆さんに知ってほしい歯周病の知識

歯周病は虫歯が減ってきた現在、歯科において歯や全身的な健康を脅かす第一位の疾患になっております。 歯周病の特徴は以下の4Sです。(英語の頭文字がS) ・Silent disease  (症状に乏しい) ・Social disease(罹患率が高く国民病である) ・Slowly disease(ゆっくりと進行する) ・Self controllable(日々のケアでコントロール可能)   進行した後は治療により完全に元に戻ることはありません。治療を開始した時点で進行を止め維持していくか、可能な限り進行スピードを遅くするというような治療になります。再生手術まで行えば失われた部分の回復が可能なケースもありますが、万能ではありません。つまり糖尿病や他の病気と同じように罹患しないように健康なうちから予防していくことがベストです。   激しい症状は伴わないことが多く、歯磨きの時に歯茎から血が出ていても放置される方も多いと思います。御自分に合った歯科への早めの受診を強くお勧めします。 私のクリニックにいらっしゃる方で、問診によりブラッシング時の出血が無い方でも歯周検査をするとかなり出血する場合があります。 観察すると歯ブラシが歯の上側にしか当たっておらず、根元にはプラークが多く残っているケースが多くみられます。こういうケースでは出血を自覚できないので気づかずに進行してしまいます。 又、歯石取りには通っていた方がそこそこの割合でいらっしゃいますが、ブラッシング指導をうけていない(忘れた?)方も多く歯周病の状態の方がやはり半数以上といった印象です。 歯科でいくらクリーニングをうけても、しっかり磨けていなければクリーニングとクリーニングの間に歯周病が再発することもあります。まず正しいブラッシングを身につけて頂き、異常がある部位の治療が終わった後はセルフケア(毎日の正しい歯磨き)とプロフェッショナルケア(御来院時のチェックとクリーニング)を行うことで歯周病をコントロールすることができます。 プロフェッショナルケアは標準的な方で3ヶ月毎が目安です。プラークコントロールが出来ている方は、ご相談の上、期間を長めに設定しております。 予防にも力を入れて診療していますので、歯周病にお心当たりがある方もない方もチェックにお越しいただければと思います。